経営状況が良好でない中小企業において中小 M&A が成立した事例
<事例の概要>
◆ 譲り渡し側:A 社
・業種:ホテル事業
・売上高:10億円
・従業員:20名
・業歴:45年
◆ 譲り受け側:B 社
・業種:ホテル事業
・売上高:50億円
◆ 関与した支援機関:(顧問)税理士、M&A 専門業者
<中小 M&A の経緯等>
【意思決定に至るまでの経緯】
○A 社代表者である斉藤勇(仮)は、裸一貫でホテル事業を立ち上げ、丁寧かつ時
流をとらえたサービスが評判を呼び、業界でも有名な経営者となった。しかし、近年
は競合他社が増えたこともあり、客足が徐々に遠のき始め、最近3期は経常損失
を計上していた。また、後継者候補であった一人息子は病気で亡くなっていた。
○75歳となった斉藤は、まだ自分の体が動くうちに中小 M&A により事業を残した
いと考え、顧問税理士に相談した。
【成立に至った経緯】
○顧問税理士から紹介された M&A 専門業者が業界内に太いパイプを有していた
ため、約2か月で B 社とのマッチングが成立した。B 社は、A 社の知名度だけでな
く、丁寧なサービス、教育体制と人材の質を評価した。斉藤も「自分の会社を評価し
てもらえた」と喜んだ。斉藤は、A 社の全株式を B 社に譲渡し、A 社から引退した。
【成立に至った後の経緯】
○斉藤は、株式の対価である譲渡代金と退職慰労金を受け取り、老後資金として
十分な額を確保することができた。引退後は、悠々自適な日々を過ごしている。
中小M&Aガイドライン参考資料より引用