今日はやったらあかんシリーズで、「敢えて」について。
よく創業のご相談、また創業間もないお客様のご相談で聞くキーワードがこれ。
「敢えて」
「敢えてこのターゲットに!」
「敢えて〇〇ではなく、この商品を!」
「敢えてこの立地で!」
「敢えてこの内装で!」
「敢えてこの価格で!」
いろいろあるのですが。
三省堂の大辞林では、
「敢えて」を
(しなくてもよいことを)困難や抵抗を押して意図的に行うさま。わざわざ。無理に。
このように解説しています。…。
だのに、なぜされるのか…。
たしかに大きな流れに逆らって結果が出たら大きいような気はします。
敢えて、立ってステーキを食べさせて大成功したお店とかありますものね。
そもそもそういう生き方しか出来ないひとがいることもわかります。
僕もまーまーそうですが。
しかし、「敢えて」を成功させるには、緻密な計算が必要です。勘や出鱈目の勢いだけでは…。
「敢えて」もいろいろありますが、特に立地の「敢えて」だけは、
失敗すると取り返しがつかなくなる可能性が高いです。
僕のお客様ではなかったのですが、「敢えて」住宅街の真ん中にポツリと、
高級コーヒー店を開店させた方がおられまして。
さらに、その住宅街は高級住宅街ではなく普通の。どちらかといえば下町風の。
敢えて…。
こだわりのコーヒー。
コーヒーを抽出するマシンもこだわり、
内装にもこだわり。
ただ、店舗は大きくなくて厨房はせまく、客席は少なく。
駐車場もない…。
全く戦略、戦術に一貫性が感じられない…。
緻密な計算が…見えない…。
開店から数ヶ月、ほぼ売上があがらず、こだわりのコーヒーをネットで販売しようと相談されたそうなんですが、
開店にお金をかけすぎて、ネット販売にかける経費がない…。
運転資金ももうつきそう…。
こんなことがよく起こるんです。
確かに創業時は資金がなく、思い通りの立地で開店できないことが多いでしょうが、
決して考えること、いい物件を探すことを諦めずに。
ばくちを打たないように。
「敢えて」ってセリフが口をついたら、一旦ストップして。
困難を可能にするストーリを緻密に立てて下さい。
それが出来ないとやっちゃだめです。